コラム

COLUMN

2024.11.29 看護師

糖尿病と高血圧について

5/17は「世界高血圧デー」です。糖尿病の人は、糖尿病ではない人に比べて、高血圧になる率が高いといわれています。高血圧の予防・悪化防止が大切です。

高血圧とは?

高血圧とは、くり返し測定しても血圧が正常値より高い状態であり、自覚症状はほとんでありません。
病院で測る血圧が140/90 mmHg 以上になったら高血圧と診断されます(収縮期と拡張期血圧どちらかの数値だけでも)。家で測る血圧では135/85mmHg以上が高血圧です。

糖尿病と高血圧の関係

高血圧と糖尿病はどちらも全身の血管にダメージを与え、動脈硬化を進行させます。
動脈硬化が進行すると脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなる他、腎臓病や閉塞性動脈硬化症(足の動脈の病気)を起こす可能性もあります。また、高血圧は糖尿病の合併症である糖尿病網膜症、糖尿病性腎症を悪化させる原因となります。

血圧の目標値

病院の血圧で130/80 mmHg未満、家での血圧で125/75 mmHg未満が目安となります。
実際には患者さん個々の年齢や他の病気なども考慮して、医師が目標値を決定します。
合併症予防の観点から年齢が若い人ほど、より厳格に血圧をコントロールしていく必要があります。

合併症予防のために。まずは生活習慣の見直しから始めましょう!

①食事

減塩しましょう。高血圧の人の塩分摂取量は、1日6g未満にすることが勧められています。(日本高血圧学会)
まずは塩分を摂り過ぎていないかふだんの食事を振り返ってみましょう。また自分の適正なカロリー摂取量を守り、糖尿病や肥満が悪化しないようにしましょう。

②運動

ウォーキングなどの有酸素運動を習慣にすることで、高血圧や高血糖の改善が期待できます。
軽めの運動(脈を測って100~120回/分くらい)を1日30分、できれば毎日行うのが理想です。注意点として心臓や腎臓の病気などがある場合、運動をどのくらいしてよいか医師に確認しましょう。

運動中に胸が苦しくなるなど体調不良を感じたときは、運動を中止してください。

③薬の服用

高血圧や糖尿病の薬を処方されている人は、内服や注射薬を処方通りに続けましょう。
「カルシウム拮抗薬」という血圧を下げる薬の服用中は、グレープフルーツや夏みかんなど一部の柑橘系の果物を食べると、効果が強く出て血圧が下がり過ぎたり、頭痛やめまいを生じることがあるため、避けるようにしましょう。

④日常生活のポイント

家でも血圧や体重をこまめに測り、記録する習慣をつけましょう。また、血圧や体調に悪影響を及ぼす可能性があるため、お酒やたばこはできるだけ控えることが大切です。
特に冬場は、寒さによって血圧が急激に上下するリスクが高まります。入浴前には浴室や脱衣所を温め、寒暖差による血圧変動を予防しましょう。
さらに、排便時に強くいきむことも血圧の急上昇につながるため、便秘の改善を意識して、日常生活に食物繊維の多い食事や適度な水分補給を取り入れてみてください。

これらの日常生活の工夫が、血圧管理や健康維持に役立ちます。ぜひ取り入れてみてください!