2025.01.06 看護師
糖尿病 冬の足に ご用心
糖尿病になると「足を毎日チェックすることが大事」といわれるのはなぜでしょうか?
長年血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の神経障害が起こり、足先の感覚がにぶくなる(足の傷の発見が遅れる)場合があります。他にも、血糖値が高いと動脈硬化が進行して足の血流が悪くなったり、免疫力が落ちて感染を起こしやすくなります。
これらの要因があわさると足のケガや病気を生じる(治りにくくなる)可能性があるため、「足を毎日チェックすることが大事」なのです。
今回は、冬場に特に気を付けるべき足のトラブルについて特集します。
①低温やけど
低温やけどは、短時間ではやけどにならないような温度(40~55℃程度)でも、長時間接触することにより起こるやけどです。
「低温」という名の響きから軽く思いがちですが、実際はやけどが皮膚の深くにおよび、治りにくい場合があるため注意が必要です。
低温やけどする可能性があるものとして、使い捨てカイロ、湯たんぽ、電気あんか、電気毛布、ストーブ・ヒーター、こたつ、ホットカーペット、ヒーター機能付きの便座などがあります。意外なところでは電車やバスの座席下の温風で低温やけどになった例もあります。
◆低温やけど予防のポイント◆
◆どうしてもカイロを使う場合、カイロは体に貼らず、こまめにあてる場所を変える。
◆ 湯たんぽやあんかは布団を温めておくのに使い、寝るときは外に出しておく。
◆ 電気毛布は寝る前に温めておき、毛布に入る際には電源を切る。
◆ ストーブ・ヒーターに足を近づけすぎない。
◆ こたつやホットカーペットで寝ない。設定温度を高くしない。
◆ ヒーター機能付き便座の温度は低めに設定する。
②足の乾燥
糖尿病により自律神経障害があると、発汗の調節がうまくいかず皮膚の乾燥が強くなる場合があります。足の皮膚は乾燥することでひび割れたり、ひっかくことで傷ができたりして、感染症を引き起こす可能性があります。
◆乾燥予防のポイント◆
◆水分をこまめに摂る。
◆加湿器などを使い、湿度50%以上を目安に室内を加湿する。
◆乾燥している部位に保湿剤を塗る。
※自身にあった保湿剤を選び、入浴後5~10分のうちに塗るのが効果的です。足が滑るため塗り薬は苦手、という方は寝る前に保湿剤を塗るとよいでしょう。